久しぶりに実験音楽曲を作った。
耳を痛めて音を自由に出せなくなってから、何となくあった構想を今回まとめてみた。
アイデアが浮かんだ時は、コレはいける、と思ったのだけど実際詳細を煮詰めて形にしようとすると難しい。色々手を加えると段々と本来の趣旨とずれてくるし、あまりにふんわり設定だとコンセプトの表現に至らない。
こういう事ってどんなモノ作りの場合も共通してあるなぁ、と改めて実感しきり。
今回の曲は音量コントロールがテーマ。
音楽の三要素はメロディー、和音、リズム、なんて言われて、基礎的な訓練として音階練習やコード練習、リズム練習はあるのに音量練習ってあまり聞いた事がない。
もちろん自主的にやっている人はいくらでもいるだろうし、打楽器系の練習だとちゃんとやってるかもしれない。
ただ少なくとも、私がやってきたクラシックでは音量のみの練習は無かったし、ロックをやっていた時もどのバンドでも音量コントロールへの意識はあまり高くなかった。もちろん自分も含め。
音量表現のみで音楽は成立するか。
即興音楽を愛するものとして、そんなの成立して当たり前という感覚はあるけど、一度曲という形にしてみたいと思った。(何をもって音楽とするかという議論もあるが、今はさておく)
果たして結果は一体…
今回の曲は練習曲の側面もある。
苦手分野克服のための練習曲である。
なので、正直とても難しい。
演奏の機会をいただき、この実験に付き合って下さる全ての方に深く感謝を捧げます。
私の曲は20分くらい。
そしてTomさんの曲をやります。
意識を拡張し環境と融合していくような、静謐な作品。
以前野外で同じメンバーで演奏したのだけど、明日は静かな室内での演奏。今度はどのような世界になるかとても楽しみ。